免疫応答能(免疫機能)とその賦活とは
- 腸管の健全性(バリア)と共生環境(食・栄養成分と腸内微生物)を整えることが重要です 。
- ヒトの腸内には約500種、約40兆個にも及ぶ多様な腸内細菌が存在し、腸管免疫に影響を与えています。
食品免疫機能試験
食品微生物、発酵食品成分の免疫賦活機能評価
自然免疫の賦活、腸管バリア機能の維持増進など、食品のちからを評価します。
In vitro評価
- 骨髄由来樹状細胞(BMDC)を用いた細胞培養による自然免疫反応評価
- 樹状細胞とは免疫機能の司令塔のような役割を担っている細胞です。マウスから調製した樹状細胞と発酵微生物やバイオ素材を共培養し、分泌されるサイトカイン量をELISA法により測定します。発酵微生物の免疫賦活能力やバイオ素材の安全性などの評価に使うことができます。骨髄由来樹状細胞(BMDC)はCD11cの陽性細胞が80%以上であることを毎回確認しております。測定するサイトカイン: TNF-α、IL-6、IL-12、IL-10、IFNーβなど
- 細胞培養によるT細胞分化能の分析
- 抗原提示細胞は抗原を貧食しT細胞に抗原提示を行います。その際の条件により、T細胞は異なるサブセットに分化します。この試験ではマウスから調製した樹状細胞、ナイーブCD4+T細胞と評価する物質を共培養します。分化・活性化したT細胞はそれを分泌します。分泌するサイトカインをELISA法、もしくはFACSで分析します。
In vivo評価
- 抗原特異的T細胞の機能評価
- マウスに抗原をアジュバントとともに注射し免疫反応を惹起します。一定期間後リンパ節から取り出した細胞と抗原を共培養し、細胞活性を測定、サイトカインをELISA法で測定します。この実験系を用いて、物質の抗原性の評価や、アレルギー抗原に対する食品成分や医薬品の影響などを評価することができます。
- 腸管バリアの評価
- 腸管粘膜はテニスコート1.5面分の面積で外界と接触しており常に感染や炎症の危険に晒されています。一層の腸上皮細胞はタイトジャンクションを形成し、栄養の吸収のみならず体の内外を隔てる物理的障害となり、分厚いムチン層の形成や抗菌ペプチドの分泌などによって生体防御をになっています。
- 上皮細胞関連:ムチン、ディフェンシンファミリー、RegⅢファミリー、ラクトフェリン、リゾチーム、Lypd8、Claudin-1、Occludin、ZO-1など
- 粘膜固有層:IL-17a、IL-17f、IL-22、IL-23、Foxp3など
- 腸内細菌叢解析
- 腸内細菌の関連する代表的な代謝物測定
- 対応サンプル種:血漿、血清、糞便 —短鎖脂肪酸、胆汁酸、アミノ酸類、ポリアミン類ほか
- 電気化学アレイ法による腸内細菌代謝物の精密定量評価
- 腸内細菌代謝物の分析には質量分析法により行われますが、コストがかかるのが問題となります。電気化学アレイ法により、安価に高感度で定量性のより測定ができます。測定できる物質はインドールー3プロピオン酸等のセロトニン代謝物やフェニルアラニン代謝物を得意としております。対応サンプル種:血漿、血清
ヒト試験
- 唾液による免疫機能評価
- 粘膜は病原体からの生体防御の最前線である免疫反応の中心的な場の一つである。唾液は容易に採取でき、粘膜免疫の情報を容易に得ることができる。以下の物質をELISA法にて、測定することにより免疫力を評価する。
- 腸内細菌叢解析
- 電気化学アレイ法による腸内細菌代謝物の精密定量評価
- 腸内細菌代謝物の分析には質量分析法により行われますが、コストがかかるのが問題となります。電気化学アレイ法により、安価に高感度で定量性のより測定ができます。測定できる物質はインドールー3プロピオン酸等のセロトニン代謝物やフェニルアラニン代謝物を得意としております。対応サンプル種:血漿、血清
ロットチェック
- In vitro系を用いた免疫賦活力評価
- お客様の素材で最も最適な評価系を用いて定期的に免疫賦活力を評価します。